当院ではバリアフィルムというものを診療の際に歯科用チェアー周りに貼ります。
患者さんからの問い合わせ、質問が多い部分なので今回はそこに触れたいと思います。
バリアフィルムは幅の広いセロハンテープの様なものです。それを診療中に術者が頻繁に触れる所へ貼っていきます。
患者さんからの多い質問は、「それはなんで貼っているの?」や「患者さんが変わるたびに貼り直しているの?」などです。答えは「患者さんや医療従事者が、感染性疾患に感染しないように、患者さんごとに張り替えています」です。
ではこのバリアフィルムは何故、患者さんが変わるたびに毎回貼っているのでしょうか?
これはスタンダードプレコーションという考え方に基づいたものです。
スタンドードプレコーションとは、米国疾病対策予防センター(CDC)が1996年に発表したガイドラインで。病院内のすべての患者ケアに関する感染管理対策のことであり、現在世界的に使用されているガイドラインです。
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全ての患者さんの血液,体液(唾液),分泌物(汗は除く),排泄物,あるいは傷のある皮膚や粘膜を、感染の可能性のある物質とみなし対応することで,患者さんと医療従事者双方における病院感染の危険性を減少させる予防策であります。
医院へ報告をされていない患者さんが約5%
歯科医院側へ自分自身が感染性疾患(AIDS、C型肝炎など)に罹っている事を、何らかの理由で報告をしない方が全体の約5%居るという報告があります。その報告通りに考えると当院では毎日数人の患者さんが来院されていることとなります。
スタンダートプレコーションの考えるのもと、きちんとした対応を行うことで問題なく診療を行い、また他の患者さんにも感染しないような心がけをしています。
そして診療が終わると、全てのバリアフィルムを剥がし、次亜塩素酸という消毒薬で歯科用チェアー全体を消毒します。
歯科医院は実は非常に危険な場所です。例えば、歯を削ったりするとその粉塵が半径二メートル四方に飛び散ります。
患者さんも医療従事者も安心して診療を受けられるように、バリアフィルムのような積み重ねがとても大切だと考えています。
ここまで読んで頂いてありがとうございます。
日本橋すこやか歯科
大島拓也